2024.7.21
「共感~ひとに寄り添えるこころ~」
明星の「小鳩会」の起源は古く100年以上の歴史を有しています。
当時ハンセン病療養の先駆けであった私立「神山復生(こうやまふくせい)病院」に対する義援金活動がその始まりです。
神山復生病院は明星の設立母体のカトリック修道会「マリア会」と同郷のフランス人ジェルマン・レジェ・テストウィド神父が1886年(明治19年)、宣教の中、一人のハンセン病者と出会い、社会で放置された同病者の救済を思い立ち、静岡県御殿場の鮎沢村(現在の御殿場市新橋[にいはし])に家屋を借用して6名の患者を収容したことから始まりました。
その後、病院は神山に場所を移し、現在でも運営を続けています。 当時は、医師も看護師もおらず、異国のカトリック神父が患者たちを介護していました。その神父からの要請で明星の修道士、教員、生徒、保護者が物品の提供をし、苦悩する人々のために学園を挙げての協力が始まりました。
その精神は100年以上経過した今なお受け継がれています。明星の建学の精神はこうした小鳩会活動を通して具体化されていきます。生徒、教職員一人ひとりが会員であり、約1600名の思いを一つにしていけば大きな力になります。 私たちの周りにはたくさんの援助の手を求めている人々がいます。困っている人、助けを求めている人に少しでも役立つことが出来ればこの活動には意味があります。ジュース1本分、アイスクリーム1つ分の我慢が多くの人の笑顔につながります。 明星に在籍する生徒のみなさん、君たちには、行動指針として「自律、共感、挑戦」を掲げます。生徒の皆さんには、共感―ひとに寄り添える心―を育んでほしいと強く思います。小鳩会をはじめとする明星でのさまざまな活動を通して、他者を尊重し、寛く受け入れる心、異文化を尊重する姿勢を育み、さらには社会に奉仕する精神と世界をより良い方向へ導くことへの強い使命感を持つという高みまで目指してほしいと思います。皆さんのすぐそばに困っている人、支援を待っている人がいます。「どうされましたか、何かお手伝いできることはありませんか」の一言を言える人になりましょう。
「人は本当に苦しい時に苦しいとは言えない、本当につらい時につらいとは口に出せない、泣いている人ばかりに気を配るのではなく、泣けない人こそ愛しなさい。」 マザー・テレサ