中学校受験をお考えの皆様へ

2020年4月18日

学校長  松田 進

「中学受験を考える」

明星中学校の受験だけではなく、私立中学校の受験をお考えの皆様に
お話をしたいと思います。

☆子どもの将来を考えて中学校を選ぶ。

「2020年大学入試改革」をはじめ、学校教育全体が大きく変わろうとしています。
ボーダレス化・情報化が進む世界において、少子高齢・人口減少の時代に突入する日本が生き残り、世界に貢献し、リードするためには、これまで以上に豊かな発想力を持ち、自ら考え、行動し、優れたコミュニケーション能力を持った人材を育成しなければなりません。私学は「生徒一人一人を大切にする」ことが大きな特色の一つではないでしょうか。

 明星では今まで以上に教育の質を高める取り組みを実践することに励んでいます。
本校は初代校長ウオルフ先生が「明星の生徒は神様から預かった大切な存在、彼らのためにいかなる努力も惜しまない」とおっしゃったようにお預かりした6年間はもちろんのこと、生涯にわたって付き合っていく関係が生徒・保護者・教職員の間で築かれていくのです。

☆子どもたちの未来に必要な力

●教育が変わる

 中学受験で志望校を選ぶポイントは何でしょうか?これまでは、難関大学への合格実績が占める比重が大きく、その理由はその先の経済的保障、ステータスの高い職業に就く可能性が高かったからです。今後も大きくは変わらないでしょうが、求められる資質はこれまで以上に多様になってくるように思います。

  近年、経済界からの要請で大学新卒の新入社員に対して、「指示されないと動かない」「決まった仕事はこなすが、課題になかなか気づかない」「他者と交渉したり協調したりして物事を進める力が不十分」などといった声があります。日本で育った人と外国で育った新入社員がいる場合、外国で育った人のほうが「即戦力になる」「物おじしない」「積極的でコミュニケーションが上手い」と評価されることも多いようです。

  じっくりと考える思考力、自分を表現する力、物事を多面的に分析するクリティカルシンキング、主体性、協調性、そして語学力を用いての交渉力です。

 政府・文部科学省もこうした人材の育成を目指す方針です。
 私立中学校・高等学校もこうした社会情勢を背景に、先陣を切って、時代の変化を見据えて次代に活躍できる人材を育成する思いがあるのです。

  必要なのは、定型的な問題を解く技能ではなく、その知識や技能をもとに、「自ら考え、他人と協働して、新しいものを生み出す力」です。
  これまで高校生の多くは大学受験を念頭に勉強してきました。大学全入時代と言われる今、高校生は「なぜ勉強しなくてはいけないのか」という気持ちが強くなっています。いつまでも大学入試を目的に勉強させるのは難しいということです。

  学ぶ目的をはっきりさせないと意欲も出てこない。今後は学習習慣と知的好奇心をどう育てていくかがポイントになってくるでしょう。これからの中学校受験生は大学入試制度改革の下で、大学入試に臨むことになります。各私立学校では「学ぶ意欲」「学習習慣の確立」のための環境整備が重要になるでしょう。

 明星では、基礎学力の習得はもちろんのこと、高度な学力を身につける工夫、さらにグローバル教育やリベラルスタデイーズ(生きる力)の実践プログラムを豊富にそろえています。

●私立中高一貫校は有利か?

 中高一貫校は高校受験がない分、6年間かけてじっくりと「得難い経験」ができる余裕や環境が整備されています。各学校が独自に行っている教育実践には素晴らしいものがあります。そこに親和性を感じるなら進学先に選択することに非常に意味があることでしょう。 

☆受験の目標となる学校を見つけよう。

校風や教育内容の面でぜひ「わが子に合った学校」を選んでいただきたいということ。
世間の評判はあくまでも世間の評判です。
わが子が輝くことができる学校が必ずあるはずです。

●学校の数だけある多様な教育観

 かつては「公立中学へ行かせたくないから」という理由で私立を選ぶケースも多くありました。しかし、今は私立ならどこでもいいのではなく、子どもの将来を考え、情報量も格段と増え、「ぜひこの私立中学校へ」「入学させる価値のある私立へ」と積極的理由で私立中学校へと意識の変化が見られます。実情は志願者が集まっている学校と伸び悩んでいる学校の二極化が進んでいます。それは、単に難関校や有名校に志願者が集まり、それ以外が伸び悩んでいるということでもありません。

今までは大学合格実績がほとんどのウエイトを占めていました。ただ、近年はそれが絶対的なものではなくなっているようです。どういう方針、指導体制、フォロー体制、これまでの成果と今後の目標など、学校の将来像をきちんと語る学校に志願者が集まるようです。さらに、人格形成の指導、将来へのビジョンや熱意が問われるでしょう。これが私学本来のあるべき姿です。

  中・高の6年間は子どもから大人へと成長する大切な時期、私立中学校のいろいろな教育の在り方、教育スタイルを見て、子どもにふさわしい学校、受けさせたい学校を見つけましょう。

 明星では、「中学・高校時代は人生の土台を築く明星教育」との考えから、生徒たちの生涯を見つめ、その時その時に応じた指導を行っています。

●学力に偏らない教育

私立中学校は「勉強一辺倒」というイメージを持っているかもしれませんが、実際には知育・徳育・体育のバランスの取れた教育を実践しています。授業はもちろんのこと、課外活動や修学旅行・学園祭・体育大会などにより、社会性や心の成長を育んでいます。

●面倒見の良い環境

わかるまで指導する、補習、補講、習熟度別、少人数制、分割授業など、きめ細かな指導をうたっています。また精神面サポートするために専門のカウンセラーを置く学校もあります。
 「生徒一人一人を大切にする」これは私立中高一貫校の大きな特徴です。

 明星では、生徒を大切にするとは、手取り足取り面倒を見ることではないと考えています。生徒一人一人の個性を尊重し、自立、自律する人格の形成を助けることこそ面倒見であると考えます。

★タイプ別学校

1. 男子校
2. 女子校
3. 共学校
4. 大学受験を目指す進学校
5. 大学付属校
6. 宗教系学校
7. 中等教育学校

さまざまな学校の型があります。時間の余裕ある時に見学に行って、帰宅後、最初にお子様の意見、感想を聞いて、それから保護者の意見を言い(先に保護者の意見を言ってはいけませんよ)、志望校を選んでいきましょう。

最後に
中学校入試は年々いろんな変化がございます。今後、さまざまな場面 でお悩みになること、お迷いになることが出てくるかと思います。
そんな時は、どうぞ遠慮なくご相談下さい。
この文章をお読みいただいたことに感謝し、このご縁を大切にさせていただきたく存じます。